デザイン業界に携わっているとカタカナ英語に触れる機会が多くあります。聞いた瞬間にパッと理解できるものもあれば、聞いたことはあるけど実はよく理解していない…など理解度は人それぞれかと思います。
また一言にデザイナーといっても業務は多岐に渡ります。一般的に”デザイナー”と聞くと、ポスター広告やウェブサイトなど「目に映るモノを作る人」だと捉えられがちです。それらはデザインの仕事の一部であることは確かなことですがごく僅かな領域でしかありません。
そこで今回は「視覚的に映るデザイン(User Interface=UI)」と、目には見えない「体験価値のデザイン(User Experience=UX)」の2つに大別してデザイナーの肩書きまとめ記事を紹介したいと思います。なお当記事ではテクノロジー(IT)に関わるデザイナーのみに焦点を当てています。
🎨UIデザインとUXデザイン
はじめにUIについて。
UIとは「User Interface(ユーザーインターフェイス)」の略語。日本語で言うと「視覚的なモノを設計すること」。スマートフォンやインターネットブラウザ上に映るカラーやフォントをデザインするのが例です。UIデザイナーにとって仕事の肝となるのはユーザーが迷いなく使いやすい設計に仕上がっているか、居心地が良いと思える設計になっているか、そんなことが仕事で求められます。
次にUXについて。
UXとは「User Experience(ユーザーエクスペリエンス)」の略語。UIデザインが視覚的に映るデザインなのに対して、UXデザインは目には見えない体験の価値をデザインする仕事です。分かりやすい例だと宿泊予約サイトなど。多くの選択肢がある中から地域別、値段別、レビュー別機能などを通じてユーザーが自分に合った宿へいかに分かりやすく辿り着けるか。これらの要求をデザイン設計する前段階から調査し、仮設を立て、機能実装を考えることがUXデザイナーの仕事です。
このように目には見えないユーザーの欲求に答えるのがUXデザイナーの役割です。
🎨デザイナーの肩書き一覧
それでは以下よりUIデザイナー及びUXデザイナーの肩書きを紹介していくこととします。デザイナーの肩書きを調べるにあたって、デザインの需要が日本より高いアメリカの事例を参考にしました。国内ではあまり聞き覚えのない肩書きも多くありましたが、今後テクノロジーが成長するにつれて需要は高まっていくのではと思います。
順番はデザイナー肩書きの優劣をつけるものではありません。給与は日本は求人ボックスを、アメリカはglassdoorを参考にしました。(2022年11月時点)
🎨UIデザイナーの肩書き 8選
- User Interface (UI) Designer ユーザーインターフェースデザイナー
〈仕事内容〉
デジタル、紙面、フィジカルプロダクトなど視覚的に見える対象物全般をデザインする仕事。利用するユーザーにとって居心地が良い使いやすいデザインを実装するのが仕事です。〈給与〉
🇯🇵 ¥5,950,000
🇺🇸 $93,798(¥13,001,153) - Visual Designer ビジュアルデザイナー
〈仕事内容〉
デジタル機器にフォーカスしたデザインをする仕事。ウェブサイト、ウェブアプリケーション、モバイルアプリを設計など。UXデザイナーが作成したワイヤーフレームに沿って機能を実装したりします。〈給与〉
🇯🇵 ¥N/A
🇺🇸 $73,357(¥10,167,867) - Content Strategist コンテンツストラテジスト
〈仕事内容〉
データ、リサーチ、心理的要素などを元にしてターゲットオーディエンスへいかに響くコンテンツを戦略的に情報発信をすること。いつ、どこで、誰に、どの媒体で…など複合的な組み合わせを考えます。〈給与〉
🇯🇵 ¥N/A
🇺🇸 $73,390(¥10,172,441) - UI Innovator UIイノベーター
〈仕事内容〉
ブロックチェーン、WEB3.0、NFT、DAOなど黎明期である新技術の未来を見越したUIデザインを考える仕事。UIイノベーターは欧米でも新しい肩書きですがデジタル技術の発展に伴い急速に需要が高まっています。〈給与〉
🇯🇵 ¥N/A
🇺🇸 $N/A - UX Writer UXライター
〈仕事内容〉
ユーザーが目的を達成するためのデジタル製品全体のコピーを作成する仕事です。ボタンのコピーやプッシュ通知など、プロダクトの内側からメッセージを伝えることが役割です。〈給与〉
🇯🇵 ¥4,500,000~
🇺🇸 $73,945(¥10,249,368) - Product Designer プロダクトデザイナー
〈仕事内容〉
UXデザイナーとUIデザイナーが作成した内容を吟味し全体的な概念をデザインする仕事。製品のロードマップを作成し、サービス/プロダクトのROI(投資対効果)を分析します。〈給与〉
🇯🇵 ¥6,610,000
🇺🇸 $94,782(¥13,137,543) - UI Graphic Designer UIグラフィックデザイナー
〈仕事内容〉
広告、パンフレット、雑誌、企業報告書などのデザインをレイアウトする仕事。すべてが見た目に関わるもので、ブランド価値が直接ユーザーへ伝わるためデザインセンスが求められます。〈給与〉
🇯🇵 ¥4,260,000
🇺🇸 $81,324(¥11,272,156) - Motion Designer モーションデザイナー
〈仕事内容〉
ゲーム、映画、CGのキャラクターなどのアートワークに3Dモーションなどの動きを付け加える仕事。動き一つで作品の売れ筋などが大幅に変化するため経験と繊細なセンスが求められます。〈給与〉
🇯🇵 ¥4,880,000
🇺🇸 $72,425(¥10,038,684)
🎨UXデザイナーの肩書き 8選
- User Experience (UX) Designer ユーザーエクスペリエンスデザイナー
〈仕事内容〉
ユーザーにとって適切な体験価値を届けるためのプロセスをデザインする仕事です。あらゆる角度から全プロセスをデザインするため、ブランディング、デザイン、機能面などを複合的にまとめ上げます。〈給与〉
🇯🇵 ¥6,220,000
🇺🇸 $116,741(¥16,181,236) - Interaction Designer(IxD) インタラクションデザイナー
〈仕事内容〉
モノとヒトの操作に関わるコミュニケーションをデザインの仕事。実際に見えるものだけでなく音、感触、感覚などまでもデザインします。具体的な例だとスマートフォンSMSの送受信時のサウンドなど。〈給与〉
🇯🇵 ¥5,000,000~
🇺🇸 $116,741(¥16,181,236) - UX Researcher UXリサーチャー
〈仕事内容〉
ユーザーの行動、要求、モチベーションなどを明らかにし、プロダクト/サービスをより直感的で楽しいものにする仕事です。定性的・定量的なリサーチを行った後にUXデザイナーと共有します。〈給与〉
🇯🇵 ¥4,500,000~
🇺🇸 $87,542(¥12,134,021) - UX Architect UXアーキテクト
〈仕事内容〉
プロダクト構造やユーザーフローといったシステム全体を構築する仕事です。ユーザー視点から情報を整理するためインタビューやアンケート調査を実施し、ワイヤーフレーム等に落とし込んでいきます。〈給与〉
🇯🇵 ¥N/A
🇺🇸 $99,801(¥13,833,217) - Experience Designer エクスペリエンスデザイナー
〈仕事内容〉
ユーザー課題を定義する仕事です。具体例ではタクシーアプリのUber。創業者が雨の中パリでタクシーが見つからなかったこと、乗車してからしか乗車賃がわからない課題をアプリで解決したことなどです。〈給与〉
🇯🇵 ¥N/A
🇺🇸 $N/A - UX Strategist UXストラテジスト
〈仕事内容〉
販売するプロダクトやサービスに対して実際に需要があるか確認する「プロダクト・マーケット・フィット」を見出す仕事です。ビジネスゴールとターゲットユーザー双方の橋渡しの役割を担います。〈給与〉
🇯🇵 ¥N/A
🇺🇸 $132,428(¥18,355,580) - Lead User Experience Designer リードユーザーエクスペリエンスデザイナー
〈仕事内容〉
クライアントが求めるビジネスゴールとユーザーが求めるゴールを同期させる仕事。プロジェクト全体の統括リーダーとして各UI/UXデザイナー陣を取りまとめサービス開発をリードします。〈給与〉
🇯🇵 ¥N/A
🇺🇸 $146,248(¥20,271,142) - Information Architect インフォメーションアーキテクト
〈仕事内容〉
情報量が膨大なサイトなどでユーザーが欲しい情報を的確な場所で表示することなどが主な仕事です。階層を可視化するサイトマップやナビゲーションメニューの追加、検索システムの配置などを考えます。〈給与〉
🇯🇵 ¥7,490,000
🇺🇸 $126,592(¥17,546,663)
まとめ
細かく言うとまだまだ紹介しきれていないものもあるのですが、今回は代表的な且つ需要が高いデザイナー肩書きを紹介しました。特に給与面では日米でこれほど大きな差が開いていることが驚きでした。
デザインが企業を成長させることは間違いありません。より良いデザインを社会に普及させるため今後もデザイン業界に寄与できる内容を発信していきたいと思います。