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『ゴミを偉大にする』LOOP(ループ)とは

Feb 1, 2021 | social business

数々の素晴らしいITサービスや製品が毎日誕生するアメリカから、Amazonと肩を並べるに匹敵すると言われる”使い捨ての概念を無くす”ソーシャルアントレプレナー(社会起業家)が生み出すサービスが注目を集めています。

LOOP(ループ)を提供するテラサイクルは、容器の使い捨てから耐久性のある機能満載のデザインに変える、循環型のショッピングプラットフォームを世界21カ国で展開しています。日本では2021年より、イオングループが本格的にサービスを展開する予定です。

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国内小売業初!イオンは持続可能なリユース容器商品の買物の仕組み「Loop」に参画
イオンは持続可能な社会の実現に向けての取り組みの一環として、日本の小売業として初めて、繰り返し使えるリユース容器を利用した商品のショッピングプラットフォーム「LoopTM(以下、ループ)※1」に参画します。
2020年秋より、東京都の「イオン」「イオンスタイル」で、本プロジェクトに参画するメーカー各社の日用消耗品や食品など、リユース容器を利用した商品の先行販売および使用後の容器回収を開始し、2021年より順次、本州・四国の約400店舗への拡大を目指します。販売を開始してからの約1年間、「ループ」商品の取り扱いができる国内の小売業はイオンのみとなります。

イオン株式会社2019年12月6日プレスリリース参照

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Uber Eats、Didi food、出前舘など『食』デリバリー文化が日本でも社会に浸透してきましたが、これからは調味料や洗剤など日常で使うコモディティ商品もデリバリーされていく時代の流れになるかと思われます。加えて何度も日常で使う商品であれば、正直使い捨てでない方が便利?だとも強く感じます。

今回はサーキュラーエコミノー(循環型社会)を実装するキーマン、テラサイクルLOOPについてご紹介していきたいと思います。

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(TerraCycle CEO Tom Szaky)

エコ+αオシャレさ

ループでは消費材メーカーがスポンサーとなり、リサイクル回収プログラムを行うことから始まります。パッケージの回収・洗浄・詰め替え・再利用を通じて、現行のEコマース”便利に何でも購入できる”サイクルに加えて、環境パフォーマンスと利便性の水準の向上を目指す、循環型ショッピングのソリューションを提供しています。

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また従来では環境意識が高い人たちのみがリサイクルを積極的に行ったり、使い捨て商品の選択を拒む傾向でしたが、そこへ斬新な”デザイン性”を加ええることで高級志向な層や、オシャレに敏感な若者まで巻き込んだムーブメントが起きることが期待されています。

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(使用済み素材を再利用したオシャレなパッケージデザイン)

Eショッピングでは実際にどんな商品が購入できるのか

こちらが実際のLOOPSTORE公式ウェブサイトです。LOOPとブランドパートナーを契約した商品のみが陳列され、ショッピングサイトから購入できます。もちろん、全てリサイクルやリユースされたパッケージのみです。

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https://loopstore.com/

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(ブランドパートナー一覧 2021年1月現在)

例えばこちら、日本でも高級アイスクリームとして人気なHäagen-Dazs®(ハーゲンダッツ)。アイスクリーム容器の使い捨て概念を覆す、斬新なステンレス素材でデザインされた商品です。使い終わった後はもちろん、リユースされます。

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その他の商品では、普段の生活で繰り返す使うコモディティ商品が多くラインナップされているようです。日用品で言うとシャンプー、髭剃り、ファブリーズなどもあり、食品ではハーゲンダッツアイスクリームやナッツ類、オーツ麦などもありました。

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1) 購入

購入するのは他Eショッピングと同じく、気になった商品をクリックしてカートに入れるだけです。ユニークポイントとしては、デポジット(一時預かり金)を数ドル支払う必要があります。これはLOOPの1番のサービスでもある容器の”リユース=再利用”を行う必要があり、使ったパッケージを再度返送する必要があるためです。

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(商品代金$10.50に加えて、$3のデポジット)

2) 配送

注文した商品は、LOOPバッグに詰め込まれて自宅まで配送されます。使用後は、届いた同じバッグに使用済み容器を詰め込み再度LOOPへ送り返す仕組みとなっています。

そして気になる送料ですが、公式ウェブサイトによるとスモールパッケージでは一律$20で設定されているようです。「ゾーン1」と「ゾーン2」で配送料金を分けており、まだまだこれからサービスが広まっていく段階だと思われます。

★Shipping rate
All Zone 1 users will maintain a $20 flat-rate shipping charge. Shipping costs include both the delivery and return costs to ship your Loop Tote. States that we have recently expanded to, in Zone 2, will see a $30 flat-rate shipping charge to accommodate for further shipping distances.

Zone 1
Connecticut,Delaware,Maryland,Massachusetts,New Jersey,New York,Pennsylvania,Rhode Island,Vermont,Washington, D.C.

Zone 2
All other states

3) 返送

使い終わった商品はLOOPバッグに詰め込み再度返送します。改めて送料を支払う必要はなく、UPSのフリーピックアップサービスをオンラインからお願いする流れとなっています。また現在は各小売店とも連携を進めていて、普段の買い物などで立ち寄る街中のポイントでバッグを預けることもできるようになるそうです。(アメリカのみ)

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無事にバッグが返送されれば、購入時にデポジットされていた金額がアカウントへ返金されます。返金されたデポジットは、ウェブサイトで再度商品を購入する際にも使用できますし、希望があれば引き出すことも可能です。

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(デポジットはアカウントへ返金)

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(デポジットバランスを使って再度ショッピング)

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(希望があれば引き出しも可)

4)クリーニング

使われたパッケージはそのままゴミ箱へ行くのではなく、LOOPの洗浄工場でクリーニングされます。その後、ラベルを付け替えて新たな商品として消費者の元へ届けられます。

ここまで一連の流れを振り返ってみると特段イノベーティブなことは無くて、日本でも昭和〜平成の間に普及していた『牛乳瓶を家まで届けるサービス』と同じ仕組みとだと感じました。

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こんな感じの、よく見かけませんでしたか?(今もあると思います)

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さいごに

アマゾン、楽天市場、ヤフーショッピングなど、スマートフォンさえ持っていれば、いつでもどこでも”Eショッピング”が誰でも使える便利な時代となりました。しかし便利になった一方、過剰なパッキングによるゴミの弊害が出ていることにも同時に目を背けることができません。

始まったばかりで商品数が限られていることもあり、まだまだ全てがLOOPのみで完結するとは言えませんが、日常のコモディティ商品のみであれば十分に使用する価値はあると感じました。